ひとつの発見(その一)

ふたつのあらがね

漢和辞典をひもとくと、ふたつの「あらがね」という意味をもつ漢字を見い出すことができる。金城霊沢碑文に書かれているのは左の文字であるが、JIS漢字でないところが不都合である。この文字は「ボク」と読み、採掘したばかりの鉱石を意味する。

一方、右の文字は「セン」と読み、精練した(洗った)金属を意味するという。すなわち「金を洗う」という言葉は、金属を精練する、と解釈すべきなのである。ちなみに碑文には「黄金」の2文字は無く、いわゆる黄金伝説が明確に書かれているわけではない。

そこで少々大胆ではあるが、「金洗いの沢とは、金属を精練していた場所だった」と推理したい。小立野台地は古くは「木立野」と呼ばれ、精練に必要な炭の原料となる木材資源は豊富であったはずで、台地の突端に位置し湧き水に恵まれたこの地こそ、金属(おそらく鉄)の精練にはもってこいの場所だったのではないだろうか。